瀬戸内旅行記2022夏 総括編 「アートと建築と風景の融合が素晴らしい」

瀬戸芸に行った旅行記、今回が総括編になります。結論は、行って大正解でした。

素晴らしいところ

アート×建築で恒久展示をすることの価値

個人的にはこれが最も感動しました。直島の地中美術館は、クロード・モネ、ウォルター・デ・マリア、ジェームズ・タレルの3名の作品しかなく、それが恒久的に展示されています。これが何を意味するかというと、彼らの芸術作品をインスタレーションとして建築と組み合わせることができるのです。ここで出てくるのが安藤忠雄です。この4人のコラボレーションによって、地中美術館というアート作品が出来上がるのです。豊島美術館も同様です。恒久展示だからこそ、アート 内藤礼×建築 西沢立衛 というコラボレーションができます。

日本全国美術館は多くありますが、展示作品全てが恒久展示であるというのは、私にとっては初めてで、だからこそ思いきった建築、そして作品ができると感じました。

アート×美しい風景

もう1つは、何と言っても瀬戸内の風景とのコラボレーションです。瀬戸芸の作品には青空展示が多く、穏やかな瀬戸内海をバックにしたそれは非常に印象的でした。空間を作るという現代アートだからこそできる価値提供でしょう。

もっと良くなるところ

予約の改善: 一元化とサービス拡充

準備編でも記載しましたが、予約が面倒過ぎます。瀬戸芸という1つのイベントで価値を提供するのであれば、その予約の入口は一元化して欲しいです。各施設の予約要否・スケジュールの可視化などができると、もっと良くなります。

店のオペレーション

直島で電動バイクをレンタルした際のくだりで記載しましたが、予約者とそれ以外を分けて扱わないのは、大きな問題です。また、観光客側にも情報提供が必要だと思います。正直、夏休みシーズンに予約なしでレンタルバイクをしようとする客は門前払いでも良いと思います。ハードルを上げることにより、より質の高いサービスを提供し、価格転嫁し、利益を上げることにつながると思います。

観光客にお金を使ってもらう仕組み

これはちきりんさんや木下斉さんがVoicyで述べられていましたが、観光客がお金を落とす仕組みが少なすぎるのは、確かにその通りだと思いました。観光客を日帰りで帰してしまう点もそうですが、日帰り客に対しても、船や食事、作品観覧への費用をもっと上げても良いと思います。私自身、航空機代と宿泊費は別として、それ以外の費用が2倍になっても旅行を断念することはなかったでしょう。それぐらいの価値を提供をしているのだから、胸を張ってお金を受け取るべきだと思います。特にコロナが明けて、海外からの観光客を受け入れる時までには価格を上げておくべきです。

2022/8/1 #0346 ちきりんさんと地方都市から生放送!【第一部】ここが変だよ地方観光!(第二部はちきりんさんチャンネル) | 木下斉 一般社団法人AIA代表理事/内閣府地域活性化伝道師「木下斉の今日はズバリいいますよ!」/ Voicy - 音声プラットフォーム

2022/8/1 #636 第二部 木下斉さんと地方都市から生放送 | ちきりん「Voice of ちきりん」/ Voicy - 音声プラットフォーム

難しいとは思うのですが、撮影権というのを売れないかなとも思いました。地中美術館豊島美術館は館内撮影禁止です。これを開館時間前もしくは後の30分を撮影OKにしてその時間を1〜数万円で売れないかなと思いました。私なら、1万円であれば購入しても良いと思います。例えば10組の人を入れるとして、1万円×10組で10万円。結構大きい稼ぎな気がします。

面白いと思ったところ

直島の飲食店の方が値上げに抵抗がない?

上の話につながりますが、宇野港や高松よりも、直島・豊島の方が値上げに抵抗がないのでは?と感じました。それは、瀬戸芸のデジタルパスポートアプリを見た時の感想です。このアプリでは、展示作品・イベント・クーポン可能の場所をマップ上に表示できます。そのスクリーンショットが下記で、左が香川 高松港、右が直島の宮浦港です。クーポンを出している店の数が圧倒的に違います。高松港周辺では10以上の店がクーポンを出しているのに対し、宮浦港ではゼロ。これは、宇野港と豊島の関係も同じです。

高松の店にとっては、競争=安売り合戦なのでしょう。一方で、直島の人たちはそもそも競争という概念が無かったのではないか、と考えています。だからこそ、クーポンを配って集客するという必要も感じない。ただし、今後は競争も増えてくると思います。その時には、安売りするのではなく、価値を上げて、価格を上げる取り組みを積極的に進めてほしいと思います。

 

ということで、今回の旅の話はここまでです。冒頭の通り、大変満足できた旅でした。10月は大地の芸術祭に行く予定です。