瀬戸内旅行記2022夏 高松編 「香川の建築の歴史を知る」

豊島 (てしま) から船に乗り高松港に到着しました。展示作品は少ないですが、高松港も瀬戸芸の会場の1つです。

朝食を取っていなかったので、何はともあれ、うどんを食べます。ウマイ。

うどん屋さんへ向かう途中、香川県庁の前を通りました。「県庁にしては、かなり立派な建物だなぁ」思いました。これが後につながります。

高松市美術館では鴻池朋子展「みる誕生」が開かれていました。

館内に紐が渡っており、順路に紐が続いている構成。

童画の挿絵。

インスタレーションもありました。

 

同時開催されていたのが「船の体育館展」です。これが香川県の近現代建築を知るうえで非常に参考になりました。

www3.nhk.or.jp

高松は第二次世界大戦で空襲を受けました。戦争が終わり、高度経済成長期入ると、香川の近代建築の時代が始まります。

1958年: 香川県庁舎東館

先述の県庁で、日本の建築家として早くから海外で活躍した丹下健三の設計です。調べてみると、香川県出身の洋画家 猪熊源一郎の紹介から発展したそうです。

1964年: 香川県立体育館

今回の展示会で取り上げられている「船の体育館」です。同じく丹下健三の設計。今見ても先進的な建築です。

 

高度経済成長期が終わり、日本は安定成長期に入ります。

1970年: 直島町立小学校

先日のブログで紹介した直島町立小学校は、直島がアートの島と有名になる前からあります。設計は石井和紘で、この人が初期の直島建築のキーパーソンのようです。

1979年: 直島町立中学校

設計は、同じく石井和紘です。

1986年 香川県営住宅一宮団地

丹下健三設計。丹下建築では唯一の集合住宅だそうです。写真がないのでNHKのリンクを張っておきます。

香川の名建築 後編 -一宮団地と四国村ギャラリー | 瀬戸内×アート | NHK高松放送局

 

バブル期には瀬戸大橋が開通します。そして1990年に入って直島アートプロジェクトが始まります。

1992年: ベネッセハウスミュージアム

安藤忠雄が設計です。

1998年: 南寺

家プロジェクトの1つです。設計は安藤忠雄、中のアート作品はジェームズ・タレルです。

2003年: 地中美術館

同じく安藤忠雄 設計。

2006年: 海の駅なおしま

設計はSANAA金沢21世紀美術館を設計した二人組です。

2010年: 地中美術館

内藤礼西沢立衛の二人。この年に第1回目の瀬戸芸が開催されました。

2013年: 豊島横尾館

永山裕子の設計です。

2015年: 直島パヴィリオン

藤本壮介の設計。

2021年: ヴァレーギャラリー

安藤忠雄の設計。


香川の建築と言えば、直島そして安藤忠雄、と捉えがちでしたが、古くは丹下健三という大物がいて、直島には石井和紘という土台があったということを知りました。

 

次回は、総括編です。