関東近郊の観光地の中でも、外国人旅行者の箱根人気は段違い

2023年7月に、関東近郊の観光地、箱根・鎌倉・日光と旅行しました。その中でも、箱根の外国人旅行者の人気がダントツでした。

箱根

元々の旅の目的は、箱根に点在する美術館巡りでした。7つの美術館 (岡田美術館・ラリック美術館・ガラスの森美術館箱根美術館・ポーラ美術館・彫刻の森美術館・成川美術館) を周りましたが、特に印象的だったのは、岡田美術館、ポーラ美術館、成川美術館でした。

岡田美術館は、何と言っても展示品のレベルと数が圧倒的でした。規模は異なりますが、ルーブル美術館のように、スゴイ作品がありすぎて感覚が麻痺する気分を味わいました。入場料は高めですが、その価値は十分にあります。

ポーラ美術館は、現代美術を取り扱っており、昨年訪れた地中美術館のように建築とアートの調和が好みでした。近くを散策できる遊歩道も美しかったです。当たり前ですが、自然の解像度は映像とは比べ物にならないくらい美しいことに気づきました。

成川美術館は高台にあり、そこからの風景が圧倒的です。芦ノ湖に浮かぶ海賊船のバックに富士山が見える構図は素晴らしい。展望室には椅子が並べられ、そこで30分ほど過ごしました。

 

外国人観光客が圧倒的に多かったのが印象的で、街歩きしているのは日本人と半々ぐらいでした。アジア系・欧米系、両地域の方が半々程度。

旅の途中で、芦ノ湖に行くためにロープウェイに乗ったのですが、12人乗りぐらいのロープウェイに、日本人は私一人という疎外感を感じるイベントがありました。英語なら何とか分かるのですが、おそらくスペイン語で、何を言っているか全く聞き取れませんでした。

今回外資系のホテルに泊まったのですが、そこは日本人が完全にマイノリティでした。スタッフの方に伺ったところ、日本人客の割合は、平日3割・休日5割ぐらいとのことでした。中国からの団体客が来ていない状況でこの割合です。

スタッフ側も日本人が少なかったです。会話した10名弱のスタッフのうち、日本人なのはおそらく1人だけでした。同じタイミングで確認したところ、スタッフは3割ぐらいが外国人とのことでした。感覚的には、日本人スタッフをほとんど見かけませんでしたが、実は結構いたみたいです。とはいえ、実は、多数を占める日本人スタッフが清掃係などの裏方な気もしますが・・・。
外国人スタッフが多い理由は、外国人観光客の対応よりも、単純に人手不足と聞きました。彼らがホテルで働くまでの流れは、日本語学校→ホテルの専門学校→ホテルへ就職が一般的らしいです。日本に来て、働いてくれて感謝の気持ちしかないです。もっと、お金を落とさないといけないなぁと思いました。

鎌倉

メインの話は書き終えたので、ここからは蛇足です。箱根に行った後、他の観光地はどうだろう?と思い、鎌倉・日光にも訪れました。

鎌倉は、一番日本人観光客が多かったです。若年・老齢問わずのカップルや子供連れの親子など、多かったです。海外からの観光客も少なからずいましたが、アジア系が多い気がしました。

日光

印象的だったのは外国人観光客よりも、修学旅行生でした。他の2つの観光地では、修学旅行生を全く見なかったのですが、日光は何組も修学旅行生がいました。街歩きの際も、修学旅行生向けの宿から声が聞こえてくる場面もありました。

外国の方もそれなりに見ましたが、割合は低かったです。

まとめ

3つの観光地の中で、なぜ箱根が人気なのでしょう?個人的には、富士山が望める自然豊かな地域、というのが理由なのかと考えました。また他の2つは海外観光客向けではないことも理由の1つです。鎌倉は、日本の歴史を知らないとその重要性が分かりませんし、江ノ電やサーフィンなどもどちらかと言えば、首都圏に住む人たち向けな気がします。日光は、先ほども触れましたが、海外からの観光客ではなく、修学旅行生向けの場所な気がしました。

そろそろ、中国からの団体客も解禁となり、ますますインバウンド需要が増える時期となってきました。人手不足の問題もありますが、観光客だけでなく、日本で働いてくれる海外人材も受け入れて、観光立国 (そういえば、最近は観光ではなく投資立国という言葉に置き換わった気もする) を目指してほしいと思います。

2023 台湾旅④ 台北編

2023年GWの台湾旅行 最終回 台北編です。

歴史的記念館

台湾の歴史的人物で、知名度が圧倒的に高いのが孫文 (孫 中山) と蔣 介石 (蔣 中正) でしょう。

台湾は、国名でいうと中華民国になりますが、その建国をしたのが中国国民党の初代総理であった孫文です。主な活動は中国本土で、当初は南京に中華民国を建国しました。日本との戦争に際し、中国共産党と手を組み、国共合作を進めました。孫文は、1925年に亡くなっています。

第二次世界大戦後、孫文の後継者として中国 国民党を率いた蔣 介石は、毛沢東率いる中国共産党国共内戦に敗れ、台湾に移りました。 1975年に亡くなるまで、台湾で中華民国を統治しました。 

孫文を讃えているのが、国立国父記念館です。運よく、衛兵交代式を見ることができました。

個人的には衛兵交代式よりも、その後のスタッフによる、制服の手直しの方が印象的でいした。また、衛兵とはいえ、直立不動はやはりツラく、交代式のように一連の流れの中で時たま手首を回す動作をされていたのが面白かったです。

 

蒋介石を讃えるのが、中正紀念堂。どちらも大きな建物で、極端に建物や銅像の大きさに差をつけていないことで、両者を平等に讃えていることが分かります。

 

美術館

台湾の博物館・美術館といえば故宮博物館ですが、あまり好みではありません。故宮博物館の滞在はそこそこに、台北市立美術館を訪問しました。

実施されていた「生活決定意思」展。現代アートが並び、面白かったです。

もう1つ訪れたのが、Jut Art Museum。こちも印象的な作品が多かったです。

球の上で揺らぐおじさん。

燃え尽きた男。

食事

台北でもいろいろ食べました。豚の角煮。

二郎系乾麺と水餃子。

小籠包。

2023年台湾旅行は以上です。久しぶりの海外旅行となり、台湾で勘を取り戻すことができたと思います。次はどこ行こう?

 

2023台湾旅③ 九份編: 台北から日帰り旅行はもったいない!!

2023年 GWの台湾旅行、九份編。2度目の訪問で、初めて宿泊しましたが大正解でした。

十份

滞在していた花蓮から九份に向かいますが、ローカル線である平渓線に乗って、途中寄り道して十份に行きます。

ここは、電車と店が非常に近く、電車が走っていないときには線路に上がって、願い書いた大きな風船?、小さな気球?に乗せて空に飛ばすことができます。欧米系の観光客もいましたが、空に飛ばすことをやっていたのはアジア系の人が多かったです。何かを燃焼させて風船を飛ばし、その後のことも分からないので、「エコではない」と、欧米系の人は考えるのでしょうか?

駅から少し歩いたところに、瀑布という滝があります。そこに向かう途中のカフェがおしゃれでした。

瀑布。サイズ感は小さめですが、台湾のナイアガラの滝と呼ばれているそうです。

九份

十份で遊んだあと、九份に行きました。ジブリの「千と千尋の神隠し」と雰囲気が似ていることで有名な箇所です。前回の訪問時は日帰り旅行でしたが、今回は宿泊しました。

九份は山にある町で、階段や坂が多いです。その分、登り切った場所からの風景は素晴らしいです。一番高い場所に小学校があるのですが、そこから道を少しそれると、写真スポットがあります。

で、今回宿泊した場所 TWO Easy Innは、この右側の建物。

正直最高でした!!ベランダから、九份の街並みを臨むことがができます。部屋の設備もハイレベルで、ウォシュレットも付いてたので日本人向けです。九份旅行の際は、是非とも、泊まることをお勧めします。

夜の九份

今回宿泊した理由は、夜の九份街を楽むためです。これも大正解でした。正直、坂が急なだけで、それ程魅力ある街に思えないんだけど・・・、と思っていましたが、夜になると、その本領が発揮されます。昼間は人でごった返していますが、日帰りの観光客が台北に戻ると、割と自由に写真を撮ることができます。

眺めを見ながら食事をすることもできました。

九份旅行をする際は、是非とも泊まりで。宿泊先はTWO Easy Innで!!

 

2023 GW台湾旅行②: 台東・花蓮編

2023年 GWの台湾旅行、台東・花蓮編。日本の九州に例えると、宮崎・大分にあたるエリアです。台湾の中では、あまり栄えてない印象でした。

 

台東・富岡漁港

元々、台湾の本当から船で1時間弱ほどの緑島に訪問するつもりでいました。その拠点となるのが台東です。前日になって、早起きが辛いという理由で緑島は諦めましたが、台湾の田舎町を味合うためにも、台東や船が出る富岡漁港までは行ってみることにしました。高雄駅から電車で2時間ほどです。

台東駅のホーム。駅は大きめですが、西側の都市と比べると穏やか感じです。

台東駅から富岡漁港までは、公共交通機関では不便なので、タクシーを利用します。タクシーとは言え、Google Mapを見せて、「ここに行きたい!!」という意思を体で表現すればそれでOK。便利な時代になりました。

漁港なので、漁船が多く停まっています。

上の写真の奥にある建物が、緑島や他の島々に行くためのチケットセンターです。中にはあまり人がいなかったので、当日券も購入できたかもしれません。

ちなみに緑島は、日本統治時代は浮浪者の収容所、戦後の国民党政府の戒厳令時代は政治犯扱いされた人たちの監獄となっていました。この看板を見て、緑島に行った気分を味わうことにしました。

さて、お昼です。漁港なので魚を食べます。マグロは量は多いですが、日本のスーパーで買えるレベルでした。

エビの炒めもの。台湾の食事は、メインの食材がふんだんに使われており、悲しい気持ちになることが少ないです。

食事を終えて少しブラブラしてから、台東駅に戻りました。

花蓮

台東駅からまた電車に乗り、1.5時間ほどで花蓮駅に到着です。東側では最も栄えている街です。

花蓮も夜市が有名です。台北や高雄の夜市は、夜になると道路に屋台が並ぶスタイルですが、花蓮は夜市専用のエリアが確保されています。広め、かつ着座の飲食スペースが十分に確保されているので、私好みです。

太魯閣国家公園

花蓮エリアのメインは太魯閣です。峡谷で有名で、公園と言いつつ非常に広いです。自然を体感するのが好きな人はぜひ訪れることをオススメします!!

写真では表現しきれていませんが、その凄さは圧巻です。私は今回の訪問で峡谷の凄さとは、谷の深さと狭さで決まることを学びマシあt。

トンネルもあり、この情景は越後妻有にも通じるものを感じました。太魯閣と現代アートのマリアージュを見てみたいです。

車移動する観光客がほとんどの中、5時間以上、歩きながら大自然を体感しました。何度か台湾を訪問済みで、自然好きの方は訪れるべき場所です。

 

 

3年振りの海外!台湾東部旅行①: 高雄編

かなり日が経ちましたが、2023年のGWに台湾へ行って来てました。コロナが流行り始めた2020年始めに欧州に行って以来、実に3年振りの海外です。実に長く暗い期間でした。行く場所はかなり迷ったのですが、かなり時間が空いてしまったので、若干日和った結果、慣れた台湾に行くことにしました。とはいえ、日本人観光客が溢れていいる場所にずっといても、海外に行く意味がないので、今回は、栄えている西側ではなく、東側を半周しました。面積は九州と同じくらいなので、鹿児島→宮崎→大分→福岡のルートで移動したと考えると、イメージしやすいと思います。

高雄到着

最初に訪れたのは高雄 (カオシュン) です。台湾では、台北の次に発展している街で、台湾の南西にある海沿いの街です。今回のフライトは成田空港からでした。かなり久しぶりの海外旅行のため、機内持ち込み荷物の場合は、液体物は別管理で透明な袋に入れないといけないというキホンをすっかり忘れてました。忘れたとはいえ、空港で入手可能なので、特に問題はありません。

長時間ではありませんが、久しぶりに5時間程度ののフライトはかなり体に負担がかかりました。到着して外に出ると、一気に熱気を感じます。夏場の旅行時は、半袖・短パンのスタイルなので、トイレに入って着替えを済ませます。私は特に汗かきなので、汗が染みないスポーツ用のシャツを愛用しています。最近はユニクロのドライEXを着ることが多いです。べた付きがほとんどなく快適です。

www.uniqlo.com

 

 

観光スポット

訪れた観光スポットを紹介します。

龍虎塔。人工の池に浮かぶ2つの塔で、龍の口から入り虎の口から出ることで運勢が上がるそうです。高雄の中では、かなり有名なスポットらしく、営業ギリギリの17時前に行きましたが、多くの人でにぎわってました。


龍虎塔の近くには、ウェイクボードの練習する施設がありました。サッカー場よりも一回り大きなエリアに、スキーリフトのようなものが引かれており、そこから垂れたロープに引っ張られることで、ウェイクボードの練習ができます。ジェットスキーを毎回走らせるよりもかなり効率的にできる設備で、日本でも取り入れたら、初心者へのハードルがかなり下がるのでは、と感じました。

 

六合夜市。個人的には、夜市や祭りのゴタゴタ感が苦手といことを再認識しました。人が多いので、接触を避けることに気を使ったり、座るスペースが少ないので、落ち着いて飲食が取りづらいなど、私にはあまり向かない場所でした。結局、ビール片手にブラブラしただけで夜市観光は終わりました。


美麗島駅。前回の訪問時にも見ており、相変わらず綺麗でした。

バスに揺られて、佛光山というスポットにも行きました。塔が並ぶ先に大仏様がいます。建設されたのは2011年で割と新しいと感じました。日本だと宗教はネガティブにとらえている人も多いので、新たな宗教施設を建てることは少ないですが、台湾だとあまり気にしないのでしょう。

 

港湾エリアは現代アートが展示されています。

 

食事

台湾と言えば、やっぱり食事。高雄で食べた食事を並べます。

一番おいしいと思ったのは、「果貿来来豆漿」という包。後からかけるニラ醤油?とベストマッチです。2日連続で訪れました。

もちろん小籠包も。当たり前においしいです

エビ。殻も食べるか毎回悩む。

ごまだれの麺。簡単に作れそうだけど美味しい。

移動手段

交通手段はとくに困ることは無かったです。地下鉄、バス、レンタルサイクル、タクシーなどが使えます。

地下鉄の改札は日本よりも進んでました。日本のSUICAのような専用ICカード (悠遊卡・一卡通) などもありますが、クレジットカードのタッチ決済も可能です。下の画像右上のタッチ部分で、新規のICカードを購入することなく地下鉄に乗ることが可能です。ちなみに、台北はクレジットカードのタッチ決済は導入されていなかったので、高雄が台湾初の導入の可能性があります。

レンタルサイクルも便利です。日本のように提供する会社が乱立しておらず、1つ (YouBike) であり台北でも使えました。レンタルサイクルを使う時には専用ICカードが必要だったので、窓口で一卡通 (iPass) を購入しました。乗車前後にカードをタッチするだけで使えます。空気圧も充填されており、5~10分の移動に使うには十分です。

ざっくりまとめ

台北には行ったことがあるけど・・・、という方にはお勧めできる場所です。台北からだと新幹線も通ってますし、1泊2日の旅行もできます。久しぶりの海外旅行で、良い滑り出しができました (イヤホンなくしたけど・・・)。

 

〇〇サンの成長のため、って、それは本人が望んでいるの?

会社で発生した問題の事後処理で気づいたことの3つ目。とりあえずこれで一区切りです。

1つ目はこちら。

aikawaojisan.hatenablog.com

2つ目はこちら。

aikawaojisan.hatenablog.com

 

今回の問題を起こした、境界領域と思われるAさんに関するの話です。現在、問題の対応に追われている最中ですが、並行して、今後のAさんの仕事をどうするか?、ということに関しても周囲の人間で話をしています。

私は比較的ドライな人間なので、関連する仕事から外そうと考えていました。そういう話を口にすると、「それはどうなの?」という返答がありました。曰く、「こういうことが起こったからといって、安直にその仕事から遠ざけるのは、本人の成長にならない。外すべきではない」とのこと。私も、理屈は理解するので、その場は納得しました。

しかし、小骨が喉に刺さったような気持ち悪さも感じていました。その理由は、Aさんと話した時に分かりました。それは「そもそも、Aさんは成長したいと考えていないのではないか?」という気付きです。これは私がAさんの印象からの類推ですが、外れているとは考えていません。まるで作業の割り当て自体が間違いだったと指摘するような発言や、問題の事後処理に対する姿勢など、物事を進めようとする意志があまりにも希薄です。

基本的に企業側が仕事のことを知らないヒヨッコに給料を払い、教育の機会を与えるのは、その人が成長したのちに会社に貢献してくれ、かけた金額以上をリターンを期待するからです。上司や先輩も、似た理由でOJTを設定します。すなわち、成長していろいろな種類の仕事を回してくれるようになれば、自分の仕事が楽になるからです。逆に教えられる側のヒヨッコは、今は通用しないけど、成長することで出来ることにより、会社 or 先輩に貢献しようという意識が大なり小なりあり、それが相互の共通認識があるため、OJTが成立している訳です。

では今回のAさんの場合はどうか。少なくとも本人の態度から、成長しようとする意志は全く感じられません。周囲の人たちは、彼を成長させると意気込んでいますが、「本人が望んで無いことを強制させるのは、お互い不幸になるだけじゃない?」と思ってしまいます。少なくとも、一度は問題を引き起こしているので前例があります。意識を変えるのであれば、OJTレベルでどうにかなる課題ではない気もします。

こういう人たちにどう接するかは、今後も考えていきたい命題です。

 

多様性のある社会って、マイノリティに社会進出を強要する社会なのでは?

会社で発生した問題の事後処理で気づいたことの2つ目です。

前回はこちら。

aikawaojisan.hatenablog.com

 

言い訳じみていますが、今回発生した問題について、その発生自体には関わってません。ほぼ部外者だったのですが、事後対応に参画しています。そして、その問題を発生した張本人ですが、いわゆる「境界領域」ではないかと私が考えている人です。ここではAさんとします。Aさん本人に確認はできていないのですが、言動がコロコロと変わりやすく、ミスが多いことがそのの理由です。

話が飛びますが、最近「社会の多様性」という言葉があちこちで聞かれます。ジャーナリストの佐々木俊尚さんが、多様性に下記Tweetをされており、「なるほどなぁ」と感じました。

一方で、これはどちらかというマジョリティから見た視点だと私は考えています。

では、マイノリティから見た視点はどうなるのか? それは、

多様性とは、マイノリティに社会進出を強要すること。

ではないかと考えてます。

話を戻すと、境界領域にいるであろうAさんは社会のマイノリティです。昔から、知的障害や境界領域の人たちはいたはずです。しかし、それは限られたコミュニティ (家や施設) に押し込まれて、隠されてきました。その存在が公知のものとなったのは、ここ10年ぐらいの話です。それと同時に、これらのマイノリティは社会に認められると同時に、社会で過ごすことを要求されるようになった、というのが私の実感です。これまでは、どこかに籠っているだけだったのが、囲いを強制的に取り払われ、社会の荒波に強制的に揉まれるようになったと考えています。

所謂、性的マイノリティ LGBT 同様だと思います。その存在が公になるのは、良い方向だと思います。一方で、マイノリティの人の中でも、そっとしておいてほしい、ほっといてほしいという人も少なくないはずです。現在の多様性は、そういう人たちに、強制的にスポットライトが浴びせられる社会な気がしています。

マジョリティでもマイノリティでも、その人が望むコミュニティで落ちついて過ごせる程度には社会の柔軟性を持たせたい、と考えている今日この頃です。