瀬戸内旅行記2022夏 準備編: 「瀬戸芸行くには準備が大事&大変」

夏休みを利用して、瀬戸内を旅行してきました。お目当ては瀬戸内国際芸術祭 2022 (以下、瀬戸芸) です。ルートは岡山県宇野→直島→豊島 (てしま) →香川県高松です。沢山楽しみ、たくさん心動かされました。複数回に分けてブログにします。

setouchi-artfest.jp

今回は準備編です。

事前情報の入手先

旅行に先立ち、色々と情報を収集しました。

ベネッセアートサイト直島

おそらく、事前に最も目を通したサイト。進研ゼミで有名なベネッセは、瀬戸芸の中心地である直島を現代アートの島として発展させました。

 

瀬戸内国際芸術祭2022

瀬戸芸のサイト。現地では、このサイトで紹介されている瀬戸芸専用アプリ「瀬戸芸デジパス」にお世話になりました。パスポート表示と、作品の展示場所を探すのに使いました。GPSと非連動なのと、挙動が安定しないの難点です。

 

2022/5/19 #582 "瀬戸芸"、瀬戸内トリエンナーレに行ってきた! | ちきりん「Voice of ちきりん」/ Voicy - 音声プラットフォーム

そもそも、瀬戸芸に行こうと思ったきっかけは、社会派ブロガー ちきりんさん のVoicyです。瀬戸芸が発展するに至る3つの要素を説明されているシリーズものです。

 

2022/8/1 #0346 ちきりんさんと地方都市から生放送!【第一部】ここが変だよ地方観光!(第二部はちきりんさんチャンネル) | 木下斉 一般社団法人AIA代表理事/内閣府地域活性化伝道師「木下斉の今日はズバリいいますよ!」/ Voicy - 音声プラットフォーム

2022/8/1 #636 第二部 木下斉さんと地方都市から生放送 | ちきりん「Voice of ちきりん」/ Voicy - 音声プラットフォーム

ちきりんさんと、地方再生のプロ 木下斉さん が豊島を訪れた際の感想を2時間に渡りトークされています。

 

直島誕生 過疎化する島で目撃した「現代アートの挑戦」全記録 | 秋元雄史 | ノンフィクション | Kindleストア | Amazon

本も一冊読みました。直島にある地中美術館初代館長の秋元雄史さんのドキュメンタリー本です。いわゆる裏方の人が、直島の発展のためにどのような取り組みをされたかが詳細に記されています。ちきりんさんのVoicyとは違った角度で、直島の発展を知ることができ、面白かったです。

 

あとは、るるぶなどの一般的な旅行雑誌にも軽く目を通しました。

旅程を立てるのが大変

さて、今回の瀬戸内旅行、準備がとても大変でした。複雑さは海外旅行と同じレベル。何がそんなに難しかったかというと、「どのWebページから旅程確認・予約するのかが分かりづらい」点です。以下に旅程を立てる上で使用したWebページを記します。上と情報ダブりますが、ご容赦ください。

 

瀬戸内国際芸術祭2022

瀬戸芸のWebページ。各島でのイベント情報や瀬戸芸作品の全体を眺める際に使います。

 

ベネッセアートサイト直島

瀬戸芸メイン会場の直島はベネッセが開発しており、ベネッセアートサイト直島といページがあります。ここではベネッセハウスの予約や、地中美術館の予約ができます。

※上記とは別に「直島観光旅サイト」というのもありますが、これはほとんどアクセスしませんでした。

 

豊島観光ナビ

豊島のWebページは、また別となっています。豊島の旅程を立てるには必須です。ただ注意事項として、豊島美術館は上のベネッセアートサイト直島から予約する必要があります。

 

ダイヤのご案内 | 直島行きフェリー・旅客船、豊島・犬島行き高速旅客船なら四国汽船株式会社

各港を結ぶ船の運航は四国汽船のWebページから入手します。

 

メインで見るページだけでも4つあり、更にはバイクの予約・豊島での宿予約などを含めると、10個ほどのWebページを行ったり来たりしながら、旅程立てと予約をしました。中には、予約申し込みをしたのに、予約確定のメールが返信がないものもあり、予約が取れているのか分からないこともありました。また、訪問先によって予約が要否が異なるので、どれを予約したかを一覧にした旅程を作成しました。とはいえ、旅程を立てるのは好きなので、それほど苦にはなりませんでしたが・・・。

 

旅程確認は出発日までに3回行ったほど、抜け漏れを心配させる複雑さでした。確認の甲斐あって、大きなトラブルなく旅することができましたが、海外から来る人にとっては、かなり高いハードルだと感じました。複数の島を巡ることは当然想定されるので、予約ページを一元化して欲しいです。同時に、予約内容の一覧もマイページから確認できる仕組みも用意されていると助かります。

 

ということで、今回はここまで。次は宇野港編です。

道東旅行記 2022夏

先日、道東に行ってきました。新千歳空港中標津空港知床半島→網走・北見→女満別空港のルートです。前泊+3日間の予定でしたが、3日目以外は天候があまりすぐれませんでした。

0日目: 新千歳空港

新千歳空港には夜到着し、翌朝の便で中標津空港に向かいます。新千歳空港内には、温泉施設があり、スーパー銭湯のように宿泊できます。

レストランは閉まっていたので、施設内の自動販売機で札幌クラシックとじゃがりこを入手して晩酌しました。。

1日目: 新千歳空港中標津空港羅臼→知床

雨が降る中、東に向かい、海を目指しました。最初に求刑したのが、道の駅「おだいとう」。悪天候なこともあり人は少なかったです。

道の駅の中には、これまでの北方領土の変遷が展示されていました。今のウクライナ情勢を見る限り、過激なことはせずに小さく返還の声を上げ続けるべきと考えました。

お昼ご飯は海鮮。左手前のブリが、脂が乗っており絶品でした。ウニは漁期が終わっており、食べれませんでした。次は6月までに行って、リベンジしないと!

羅臼の道の駅近くで1枚。この後、この道をまっすぐ進み、知床半島を横断します。雲が凄い。

横断途中の展望台の駐車場。10m先もろくに見えず、ビビりながら運転していました。

何とか横断し、ホテルへチェックイン。北こぶしに宿泊しました。外は相変わらず曇天。

1時間ぐらいホテル周辺をブラブラとしましたが、かなり閑散としていました。その後、ホテルに戻り、温泉とサウナで冷えた体を温めました。ここのサウナは風景も良く、かなり良かったです。夕食を食べ、初日は終了。

※ホテルのページから転載

2日目: 知床→網走→北見

初日に知床を散歩した時に、閑散としていた、と書きましたが、その理由の1つは4月に観光船事故の影響でしょう。ホテルやその周辺の様子を見て、やはり悲惨な事故だったということを実感します。

今回、私はそのリスクを認識した上で、観光船を予約していました。不謹慎かもしれませんが、来年は営業しているか分からないと感じたからです。ただ、天候不順で出航がキャンセルとなり、観光することができませんでした。波は穏やかでしたが、視界不良のための欠航でした。事故が起きる前は出航していたのではないか?、と考えてしまうぐらいの微妙な天候でした。

①コロナによる客足減、②観光船事故による客足減、③出航基準の厳格化による出航頻度の減少という3つの要素が重なり、小型観光船は来期の営業が厳しいという考えを更に強くしました。

 

観光船の予定が亡くなったので、車で知床半島を北上します。雨水が残る砂利道の悪路を30~40分走り、カムイワッカ湯の滝まで行きました。観光客で訪れることのできる最北地点です。

途中、エゾシカに遭遇しました。

車で30~40分の悪路を、自転車で走破している人たちがいました。アクティビティとして提供しているのだと思いますが、晴れた日には楽しいかもしれません。凸凹道を「アー、アー」言いながら車で進むより、ゆっくり自然を楽しみながらの自転車旅の方が良い気がします。

知床の次は斜里町へ向かう道すがら、天に続く道に立ち寄りました。確かに、これは広大な北海道の台地がなせる景色です。ライダーの方たちも立ち止まって、バイクと一緒に写真撮影されていました。

2日目最後の観光スポットは網走監獄。個人的に、刑務所と言えば「網走」というイメージが強いです。

今回の訪問で初めて知ったのですが、網走監獄は、ロシア帝国に対する北方防衛の先兵として囚人を送ったことが、はじまりとのことです。下の写真にある「元々彼等は暴戻の悪徒であって、尋常の工夫では耐えられぬ苦役に充て、これにより斃れても、監獄費の支出が減るわけで万やむを得ざるなり」は、時代を感じさせる衝撃的な一文です。凄まじい苦役に充てられたことを示す展示が多くありました。

反抗する囚人には、下の写真のように懲らしめることもあります。

白黒で撮ってみた舎房、コワい。

独房コワい。

ゴールデンカムイの白石のモデルが脱獄中。

網走監獄を出た後は、レンタカーを返却するために北見市へ。北見市は焼肉で有名とのこと。

3日目: 北見→屈斜路湖摩周湖→阿寒湖→女満別空港

最終日は、バイクを借りて道東の湖を巡る旅にしました。天気が崩れなくて良かった!

阿寒湖

途中に駐車場があって、その存在を知った硫黄山。私は硫黄のニオイがダメなので、あまり近寄らなかったです。

そして今回のベストオブ風景!摩周湖。青空、白い雲、草木の緑と摩周湖の青、美しかったです。人が少ないのを良いことに、「おぉー!!」と思わず叫んでしまいました。

最後、阿寒湖と言えばマリモ。親類から土産で貰った記憶があります。

無事バイクを返却し、女満別空港へ。

夕暮れを見ながら、日常へ戻ります。

振り返って

知床ではクマは見れず、観光船に乗れずだったので、若干消化不良でした。ホテルの案内を見たところ、冬のシーズンもアクティビティが満載なようなので、次は冬にリベンジしたいと考えています。流氷クルーズに参加したい。

摩周湖はタイミングよく好天に恵まれましたが、知床付近は基本的に厳しい天候が続くので、余裕を持った日程で計画した方が楽しめそうです。

FP3級試験を受けてきた

昨日、FP3級試験を受けてきました。今回の受験は、人生設計する上での必須知識を身に着けることが目的です。学科試験は大きく6つのパートに分かれており、見ての通り、どれも生涯の節目節目に触れる項目ばかりです。

  1. ライフプランニングと資金計画
  2. リスク管理
  3. 金融資産運用
  4. タックスプランニング
  5. 不動産
  6. 相続・事業継承

今回の記録は、FP3級の準備・本番・試験後に分けて、それぞれで感じたことをまとめます。

試験準備

教材は下記の2つ、レビューが高評価だったので購入しました。

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試験勉強を始めたの本番の3週間前からです。ざっくりとした勉強の進め方はこんな感じです。トータルの勉強時間は20時間ぐらいだと思います。

  • 第1, 2週: 教科書を1周目を通し、気になるところにフセンを貼る
  • 第3週:  問題集を1周解いてみて、自信がないところにフセンを張る
  • 試験前日: 2周目の問題集を解く

パートによっては、既知の内容もありました。例えば、パート3の「金融資産運用」は、株や投資信託をやっていれば、ほとんど当たり前の内容でした。一方で、パート4, 5の税と不動産は、これまであまり興味を持たなかった分野でした。このような知識の穴を埋めることが目的だったので、より時間をかけて勉強しました。

とはいえ、今回学んだ内容で、今後も覚えておくべきことは5割程度だと思います。試験に際しては、数値や計算式を記憶する必要がありましたが、今後は、そういったルールが存在ことさえ知っていれば、ネットですぐに検索できます。ということで、来月には、ほぼ全ての数値を忘れているでしょう。

 

試験本番

コロナの影響もあり、会場で試験を受けるのは久しぶり。僅かながらも、緊張しました。受験者の構成は、年齢的には20代後半から40代の人が多かったです。明かに学生と分かる若い方は少ないと感じました。また、150人弱の試験部屋において、60歳を超えてそうな人は1人だけでした。高い年齢層にも必須の知識ですが残念。男女構成は、女性の方が3:2で多いかな?ぐらいの印象でした。当たり前ですが、お金への関心は、男女差というより、年代によって変わりますね。

さて、私は日ごろ、Xiaomiのスマートウォッチを使っており、会場にもいつも通りは付けて行きました。そして当然のごとく、通信機器のため鞄の中に納まることになりました。スマートではない腕時計は、家のクローゼットの段ボール内に眠っているはず。会場には掛け時計もなく、私は時間が分からない状態で試験に臨むことになりました。試験は学科2時間と実技1時間で、いずれもマークシート方式。「時間の配分が上手くいかず、時間オーバーなったらどうしよう・・・」と試験開始前は心配でした。

結局のところ、杞憂でした。かなり時間が余ったからです。最初の学科試験の2時間は、おそらく最初の40分ぐらいで終わりました。開始1時間後に退出可能だったので、退出までの20分は、試験後の予定を立てていました。実技の試験も早々に回答を終えましたが、こちらは試験時間が1時間と短めなこともあり途中退出不可で、残りの時間は今後の旅行先の検討に費やしました。私と同様に、時間を持て余していた人がほとんどのようでしたので、試験時間の短縮を望みます。そうすれば、監督者・受験者共に、負担が減るでしょう。

試験を終えて

既に模範解答が公開されており、自己採点の結果、合格してそうです。試験準備の振り返りとしては、勉強期間が3週間でしたが、2週間でも合格できた感触です。自信を持って回答できたという点で、20時間の勉強時間は妥当と捉えています。一方で、1日の勉強時間を増やして、休日をより有意義に使った方が良かっただろうというのが、今回の反省です。

次はITパスポートと簿記3級を取ろうかな、と考えています。次回は、忘れずにスマートではない腕時計を付けて行こう!

 

二輪免許を取って感じたこと

先日、普通二輪免許を取得しました。普通自動車免許 (四輪) は大学に入学後すぐに取りましたが、二輪は怖いからという理由でずっと避けていました。また、原付にも乗ったことがありませんでした。今年、環境に変化があったこともあり、二輪免許を取るために教習所に通いました。

免許は取ったものの、駐輪場・維持費の関係でバイクを購入する予定は無いです。しばらくは、レンタルバイクで月に1, 2度楽しみたいと考えています。今回は、免許取得までの2ケ月の期間で、感じたことを紹介します。

メンドクサイものを制御することの楽しさ

現在の日本で販売されている四輪は、ほとんどがオートマなので、車の運転といっても、①始動する、②アクセルを踏む、③曲がる、④ブレーキを踏む、⑤停止するで完了します。二輪にも、スクーターなどオートマもありますが、マニュアル車の割合がまだまだ多いです。このマニュアルというのが、難しいけど楽しい。車を運転している時は、1トン以上ある車体を制御している感覚は全くありません。

一方、二輪だと、200㎏程度ある車体をなんとか制御させています。発進するためには、アクセルを定位置にしつつ半クラッチにして、曲がるときにはニーグリップを意識して体ごと車体を傾ける、まさに自分で車体を制御しています。昨今、技術が進歩して、モノを制御する体験は実は中々ありません。パソコン、調理道具、家電・・・、毎日触れるものでも、操作はしても制御はしていないことがほとんどです。一筋縄ではいかないメンドクサイものを制御する楽しさを、二輪は教えてくれました。

失敗の大切さと、成功へ転じた時の嬉しさ

最後の検定試験は、無事に一発合格できましたが、技能教習は2回分補習を受けました。なかなかクリアできなかったのが一本橋。体操で使う平均台のようなもので、幅30cm、長さ15mの細いコースを、脱輪・エンスト・転倒なく渡りきる課題です。初心者にとっては、これが難しい。1回の講習で5回ぐらいはチャレンジできるのですが、最初の方は途中で脱輪してばかりで、ダメダメな時は一本橋に乗ることすら、ままならない状態でした。途中で教習所通いを諦めようかな、とも逡巡しましたが、教習の予約分はこなそうと思い留まりました。

一本橋ができるようになり始めたのは、初めての一本橋から3回目の教習でした。自転車の乗り方と同じで、一度コツを掴んでしまえばミスは殆ど起こりません。ですが、成功した時は本当に嬉しくて、講習後、ヘルメットを外しながら、心の中で「ヤッター!」と叫んでいました。年をとっても、成功するのは嬉しいことです。そして、チャレンジ・試行することの大事さを改めて学びました。

市場のフィードバックが得られにくい環境は改善が効きにくい

近年のバイクブームを受け、教習所に通う人は想像以上に多かったです。1回の講習で、先生が4~5人で、生徒は20名程度でした。生徒のレベルはまちまちなので、複数のグループに分かれて講習を受けました。生徒側は指導員を選択できません。

そのような教習体制の中で、指導員の善し悪しにかなりの差がありました。公道を走る前の練習なので、上手くいかず、エンストや立ちゴケする人は多くいます。どうすれば改善するかを丁寧に教えてくれる指導員がいる一方で、強い口調でダメだと指摘する指導員もいました。もし、指導員が選択制なら、人気ランキングで明確な差が分かるでしょう。

類似する話が、免許証交付の際にも起こりました。手数料を支払い、写真撮影を済まし、書類を提出して、全ての手続きを終えたところ、免許証の交付まで1時間待ってと告げられました。私は四輪免許取得していたので、講習会免除でしたが、全く意味がありませんでした。

これらに共通することは、市場のフィードバックが得られていないことです。人気ランキング、免許交付に要する時間などの明確な数字による変化・差が分からないので、課題もが分からず改善につながらないのだろうなぁ、と感じました。

 

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下の写真は道東旅行で借りたレブル250Sです。初めての公道走行かつレンタルだったので、足つきベッタリで、立ちゴケの心配がないバイクを選びました。ノロノロ走りでしたが、四輪とは違った感覚を味わえました。



自動販売機:幼少期に、唯一インフレを感じた場所

デフレの国、日本にもインフレの波が訪れています。とはいえ、国内で分かりやすく価格が上がっているのは電気・ガスぐらいのもので、食料品は企業努力?によって、なかなか値上がりしません。需要が活性化する高付加価値の製品・サービスを供給しつつ、価格を上げ、収益を上げ、給料を上げるサイクルを回す感覚を、どの会社も身に着けてほしいものです。

今の世代は、デフレしか知らない、とよく言われます。私自身も、モノの値段が上がる体験はほとんどしたことがありません。その中で、幼少期に唯一インフレを感じたのが自動販売機でした。私が記憶している350ml缶飲料の最安値は90円だった思います。その後、割とすぐに100円に上がり、110円、120円と10円ずつ上がっていきました。今は120, 130円辺りで、長くその値段が維持されています。

自動販売機が、幼少期に唯一インフレを感じた場所である理由は、自分でお金を握りしめ、自分で支払い、自分で品物を受け取る、所謂お使いをするのが、自動販売機ぐらいだったことです。私が住んでいた町は、近くに商店や駄菓子屋などはなく、買い物と言えば、必ず車に乗っていくものでした。そうすると、スーパーでお菓子は選べても、その支払いは親がやっていました。そのため、商品の価格を感じることはありません。一方で、自動販売機は家の近くにあり、100円玉を握りしめてジュースを買いに行くことは何度もありました。そして、途中から10円玉が加わり、さらには財布ごと持っていくようになり、当時の私は「ジュースって、値段が上がっていくものなんだ」と肌で感じることができました。

 

振り返ってみると、ジュースの値段が上がったのは、インフレというより、消費税が上乗せされた面が大きいです。とはいえ、その中身が変わらなくとも、表示価格が上昇していくとい体験は、私にとって貴重な出来事でした。あの体験がなかったら、今のインフレをもっと恐れていたでしょう。

PLAN 75:死の選択を迫られた時、どちらを選ぶか?

現在上映されているPLAN 75を見てきました。色々と考えさせてくれる良作でした。

大まかなあらすじ

多数の高齢者を、少数の現役世代で支える日本。その状態にいら立ちを覚えた若者が、高齢者を殺害する事件が多発し、75歳以上の日本人なら死を選択できる権利を持つことができるPLAN 75が導入された。

登場人物は大まかに下記の4名。

・死の選択を迫られる人←主演の倍賞千恵子さん

・死の選択を誘導する人

・死の選択を受理する人

・死を選択した人の後処理をする人

それぞれの視点から、PLAN 75に向き合うさまが描く。

日本の現状と照らし合わせてみて

※結構過激な記載がありますが、あくまでも思考実験とご理解ください。

PLAN 75は将来の日本に導入されるか?、と問われれば、その答えはNoでしょう。ただ、高齢者に対する負担を苦に、若者が老人ホームを襲撃する未来は想像できます。また、子や孫の負担になるくらいなら、独りぼっちで苦しく生き続けるくらいなら、と考えて自死を選ぶ人というのは、今後増えてもおかしくありません。PLAN 75は国が死の選択肢を与える (迫る) 設定ですが、社会的には同じ状況に追い込まれる未来があると感じています。

結局のところ、社会的弱者に無理を強いる構図は、現実とさほど変わりません。映画での描写はありませんでしたが、高齢者とひと括りにしても、中には使い切れない資産を保有する人も多いです。そのような人たちは、清掃が行き届いた家に住み、年に数度の旅行するでしょう。映画ではPLAN 75を、現実には自死を選択する必要はありません。

一方、PLAN 75の選択を迫られるのは社会的弱者です。申請すると10万円もらえるとのシーンがありましたが、安すぎるなと感じました。余命が短いとはいえ、一人の命の値段が10万円とは安すぎます。

ちなみに、75歳の人が85歳まで10年間生き、年金が月額10万円給付されると想定すると、10万円×12か月×10年=1,200万円となります。これに加え、健康保険や他のサービス負担も減るため、1,000万円の給付でも十分成り立つ計算です。(このような金額だけで判断するのは間違いですか…)

私なら、どう選択するか?

私がPLAN 75を突き付けられたときにどちらを選択するか、2つのパターンで考えてみました。

1つ目は、本作と同じ状況に置かれた場合。倍賞千恵子さん演じる角谷ミチは夫に先立たれた78歳。年齢を理由に客室清掃員の職を失い、新しい住処も探さなければならないが簡単には見つからない。このような状況下では、私はPLAN 75を選択すると思います。すなわち、死を選びます。なぜなら、生きることに希望が持てないためです。

一方で、私が年齢を重ねるなかで、PLAN 75が導入されたらどうするか?こちらの場合は、その選択を取らないでしょう。言い方を変えれば、その選択を迫られないような事前準備しておくでしょう。そのためには下記が重要です。

健康寿命を長くする

簡単に言えば、天寿を全うするまで健康でいる。現在の日本の平均寿命と健康寿命の借りは10年前後ですが、それを可能な限り小さくする。適切な食事・運動を取り、老けない体づくりが重要です。

衣食住を更新し続けられる環境にする

映画を見ていて、物寂しい印象を与えてくるのが「住処」です。公営団地と思われる古びたアパートに住み、部屋の中も古びたモノで溢れていました。演出の一部ですが、もしこれがミニマリストのような生活様式だったら、私が受けた印象も違っていたでしょう。断捨離を定期的に行い、食事・服・家財を更新し続けて、変化を楽しめる老人になることが重要です。

現役世代のコミュニティに参加する

同世代のコミュニティに所属することも大事ですが、現役世代のコミュニティも所属し、若さのパワーをもらうことも重要です。それにより、心の健康寿命やトレンド把握につながり、先の2点にも好影響を与えます。

仕事のタスクを、打ち合わせとそれ以外で分ける理由

現在勤めている会社では、毎日の仕事をスプレッドシートにタスクリストの形で書き込む決まりになっています。ただ、書き込むだけしか決まっておらず、記載方法は各個人に一任なため、内容は統一化されておらず、なんだかなぁと思っています。

私の書き方は、今のところ打ち合わせとそれ以外で分けています。その理由は、アウトプットを出すタスクと、出さないタスクを明確に分けておきたいからです。日々の仕事では最小のインプットで最大のアウトプットを出す生産性が求められます。そのため、アウトプットを出せていない時間を明確にしておく必要があります。残念ながら、今の職場環境だと打ち合わせがアウトプットを出す場にならないことが多いです。単なる情報共有の場であったり、「結局、結論は何だったの?」と思ってしまう打ち合わせが多いのが現状です。

それを改善する取り組みもやっていますが、それは別のネタとして、アウトプットするタスクを明確に分けるために、打ち合わせを切り離しています。打ち合わせの数を可視化すると同時に、数が多いと、いかに無駄な時間を過ごしていたかを一日の終わりに振り返ることができ、打ち合わせの数、時間を減らす動機づけになっています。

※もちろん、全ての打ち合わせがアウトプットゼロという訳ではありません。