聖地巡礼ビジネスで稼ぐって難しい

久しぶりの制限なしのGW。今回は山陰地方を旅してきました。これからの数回は、その旅で感じたことを書きます。旅のルートは、山口宇部空港に降り立ってから、電車と車で山陰地方を西に進み、山口→島根→鳥取で、最後は鳥取空港から飛び立ちました。

 

本記事のテーマは聖地巡礼ビジネス。聖地巡礼とは、マンガやアニメ、小説などの舞台や、著名人の縁のある場所を聖地として巡ることです。聖地となった場所からすると、観光客の増加が期待できます。

今回の旅では、いわゆる聖地と呼べる場所を2か所訪れました。

昨年公開されたエヴァンゲリオンシリーズの完結作である「シン・エヴァンゲリオン劇場版:||」のエンディングの舞台となった場所です。宇部市は、監督である庵野秀明さんの出身地でもあります。

 

少年サンデーで長年連載され、アニメや映画も長く続いている「名探偵コナン」の作者 青山剛昌さんの出身地です。町のみならず、県をあげてタイアップしており、鳥取市鳥取空港は「鳥取砂丘コナン空港」の愛称を持ち、空港にも複数の展示がありました。

 

私は熱心にアニメを見る方ではありませんが、幼少期に触れたマンガ・アニメであるため、ちょっと見ておくかという感じで、今回の旅に組み入れました。

 

さて、今回の聖地巡礼で気づいたことは、聖地巡礼ビジネスで稼ぐのは難しい、ということです。今回、2つの町で使った金額は、たったの150円でした。これは、宇部新川駅の入場券代です。なぜこうも少ないかを、私なりに分解してみました。

 

  • 宿泊につながりにくい

交通費を除くと、観光で最もお金を使うのは宿泊費です。更に、宿泊となると、その日の夕食代や、滞在時間が増えることによるアクティビティ費も、その地域で使われることになります。だからこそ、観光で稼ぐためには、その場所に宿泊してもらう必要があります。

しかし、今回の宇部市北栄町ともに、宿泊客を増やす取り組みはしていないように感じました。宇部新川駅のすぐ近くにビジネスホテルはあるものの、映画と関連している訳でありません。私自身も、両方の聖地とも立ち寄っただけで、宿泊はしませんでした。聖地に滞在してくれる人をどう増やすかが課題と感じました。

 

  • グッズ販売の売り方がビミョウ

北栄町青山剛昌ふるさと館を訪れて、「それはちょっとどうなの!?」と感じた場面が下記の写真です。この写真を撮ったのは、昼過ぎの13時頃です。ふるさと館内は、青山さんの直筆イラストなどが展示されているそうで、混雑を避けるため、整理券を配り入館規制がされていました。コロナが収束していない状況で入館規制をするのは理解できます。問題は、グッズショップも整理券が必要ということです。

なぜ、せっかくの稼ぎ時を上手く使おうとしないのか、理解できませんでした。青空の下、イベントテントを張って、販売すれば良いだけではないでしょうか?町をあげての観光業であるならば、ふるさと館だけでなく、他の施設でも売れば良いと思います。三密を避けるために、できることはたくさんあるはずです。グッズ販売のやり方には、改善の余地がまだまだ残されていると感じました。

 

 

グッズ販売とも関連しますが、聖地巡礼というインセンティブとお金が結びつきが弱いのも課題です。聖地巡礼の楽しみ方として、アニメの舞台や展示物の写真を撮ることです。ただ、これらはお金の結びつきがどうしても弱いです。青山剛昌ふるさと館のように、1,000円以上の入館料を取れるのであればマシですが、宇部新川駅であれば、150円払うだけで、入場して好きに写真を撮ることができます。

聖地に赴いたからこそ得られるインセンティブとお金をどうリンクさせるかが、聖地巡礼ビジネスでは重要になると思います。

 

上記、3つのことから、現状の聖地巡礼ビジネスでの稼ぎは道半ばと感じました。一方で、宿泊者を増やし、グッズの売り方を工夫し、より価値のあるインセンティブを付けられるのであれば、まだまだ稼げるようにも思います。